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COP21 気候変動は雇用も破壊・・各国の労組代表が訴え & 主要論点持ち越しへ・・週明けから閣僚級会合

12月4日、パリで開かれたCOP21の「気候と雇用に関する労組フォーラム」で発言する各国・地域の労組代表ら(島崎桂撮影)
12月4日、パリで開かれたCOP21の「気候と雇用に関する労組フォーラム」で発言する各国・地域の労組代表ら(島崎桂撮影)

 【パリ=島崎桂】パリで開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)で12月4日、各国・地域の労働組合代表が参加する「気候と雇用に関する労組フォーラム」が開かれました。気候変動に伴う雇用破壊や、環境破壊を促進しかねない自由貿易協定(FTA)への懸念が示されました。

 アフリカ中部・チャド労働組合会議のゲネ書記長は、灌漑(かんがい)や気候変動で消滅の危機にあるチャド湖をめぐる現状を告発。既に始まっている▽生物多様性の破壊▽農地・漁場消失に伴う失業と貧困拡大▽食糧危機・・などの影響を示し、「立場の弱いアフリカの労働者の現状を知り、適切な対策を早急に講じることが重要だ」と訴えました。

 議長国フランスや南米の労組は、各地域での自由貿易協定に懸念を示しました。

 こうした協定の多くには、環太平洋連携協定(TPP)と同様に投資家対国家紛争(ISD)条項が含まれています。同条項で企業には、訴訟を通じて各国の環境規制の緩和、撤廃を求める権利が認められます。

 国際労働組合総連合(ITUC)の米州地域組織、米州労働組合連合(TUCA)のフレレ氏(経済政策担当)は「こうした自由貿易協定に、持続可能な成長や雇用創出といった利点は存在しない」と強調。仏労組「労働者の力派(FO)」のパバジョー書記長は「一国の努力で多国籍企業に十分な環境規制を課すことはできない」「企業活動に直接介入できるのは労組だけだ」と力を込めました。

(「しんぶん赤旗」2015126日より転載)

COP21 主要論点持ち越しへ・・週明けから閣僚級会合

 【パリ=時事】パリ郊外で開催中の国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の作業部会は12月5日、2020年以降の地球温暖化対策の新たな国際枠組みについて事務レベルの合意文書案をまとめ、協議を終えます。ただ、主要論点の整理は十分進まず、7日以降の閣僚級会合に議論は持ち越される見通しです。

 これまでの協議で、世界全体の温暖化対策の取り組み検証や、各国の温室効果ガス削減目標の見直しについて、5年ごとに行う方向となりました。産業革命前からの世界の平均気温の上昇幅を2度未満に抑える目標も明記される見適しです。

 一方、温室ガス削減などに関する先進国と途上国の責任分担は、意見の隔たりが埋まりませんでした。途上国への資金支援を行う主体を先進国以外に拡大するかどうかや、支援額の目安を設けることについても先進国と途上国が対立しており、閣僚級会合での調整も難航必至です。

(「しんぶん赤旗」2015126日より転載)