12月5日、首都圏反原発連合(反原連)が東京・日比谷野外音楽堂で開いた「KEEP CALM AND NO NUKES」では、ゲストスピーカーや5野党の代表がスピーチしました。
ゲストの3氏が訴え
ゲストスピーカーの先頭を切った城南信用金庫の相談役の吉原毅氏は、個人としてだけではなく、城南信用金庫が企業として「原発に頼らない、安心できる社会へ」を掲げていることを紹介。「金融は世のため人のため、健全な未来をつくるためにお金を貸します。採算性なども厳しくチェックします」と話し、「原発はまったく採算に合わない」「まったく世にいいことがない」と批判しました。
幅広い層に安倍政権への疑問が広がっていることなどを紹介して、「国民の力で変えていかなければいけません」と語りました。
政治学者で上智大学教授の中野晃一氏は、原発や米軍基地などさまざまな問題で「私たちがたたかっている相手は、まやかしでだまして、力でわれわれを屈服させて、無力感にさいなまれるようにして、われわれが自発的に服従することをねらっています」と指摘。「踏みにじられても蹴散らかされてもまた立ち上がり、私たちの声を国会に運んでくれる政治家たちを応援しましょう。私たちの声を実現する政治をつくりましょう」と呼びかけました。
弁護士で慶応義塾大学名誉教授の小林節氏は、電力会社が原発は最もきれいで、安価で安全な電力供給源だと説明していると切り出し、「よくいいますよね。福島の事故で、汚くて金がかかって危ないものだとバレバレじゃないですか。恥知らずです」と批判。原発の利権構造を変えることについて「憲法上簡単です。いちばん地位の高い政治家を取り換えればいい」と語り、国民世論によって野党の垣根を取り払い、「参院選挙で圧倒して、衆院選挙で政権交代させましょう」と訴えました。
笠井氏ら5野党代表スピーチ
ゲストスピーカーに続き、5野党の代表がスピーチしました。
日本共産党の笠井亮衆院議員は、国民が福島第1原発事故後の4年間、官邸前や全国で「再稼働反対」「原発やめろ」と声を上げ続けていると指摘。安倍政権が川内(せんだい)原発(鹿児島県)に続き、伊方原発(愛媛県)、高浜原発(福井県)の再稼働を狙っているとし、「これが民主主義か。違う」と力を込めました。「原発事故の後始末もできず、いまも10万人もの人が避難している。再稼働の理由は一つもない」と強調。「安倍政権を一日たりとも続けさせるわけにはいかない」と述べた笠井氏は、戦争法を廃止する国民連合政府の提案にふれ、「みんなで力を合わせて民主主義・立憲主義を取り戻すために、国民の声が届く政治をつくっていこう」と呼びかけました。
民主党の菅直人元首相(衆院議員)、維新の党の初鹿明博衆院議員、社民党の吉田忠智党首(参院議員)、生活の党の渡辺浩一郎元衆院議員がそれぞれスピーチ。いずれも「参院選で野党が力を合わせたい」と決意を語りました。
(「しんぶん赤旗」2015年12月6日より転載)