
関西電力が新しい原発を建設するため、同社の美浜発電所(福井県美浜町)で地質調査を再開すると発表したことに対し、県内外の住民が30日、同社の原子力事業本部前(同町)に集まり、緊急の抗議行動を実施しました。「老朽原発うごかすな!実行委員会」が呼びかけたもので、「もう原発はいらない」「自然エネルギーに切り替えよう」と声を上げ、町内をデモ行進しました。
日本共産党からは金元幸枝県書記長、佐藤正雄県副委員長、山本貴美子敦賀市議、世戸玉枝小浜市議、猿橋巧おおい町議らが参加しました。
関電が美浜発電所で再開するとした地質調査は、2011年3月の東京電力福島第1原発事故発生以降、中断していたもの。福島原発事故後、国内で原発の新増設に向けた具体的な動きが明らかになったのはこれが初めてです。
実行委員会メンバーの木原壯林さんは「使用済み燃料の行き場はない」「世界は自然エネルギーが流れだ。(原発新設は)世界の流れに背くもの。許してはならない」と訴えました。
原子力発電に反対する県民会議の石地優事務局長は「福島原発事故は非常事態宣言が解除されておらず終わっていないのに、なぜ新増設か。神経を疑う」と非難しました。
抗議行動は8月2日、大阪市の関電本部前でも実施されます。
(「しんぶん赤旗」2025年7月31日より転載)