東日本大震災で被災した岩手、宮城、福島3県の公立小中学校のうち約半数の77校が、3年たった今も仮校舎での授業を強いられています。修繕や新築による学校再開は3割にとどまり、東京電力福島第1原発事故が起きた福島を中心に、38校は再建計画が立てられずにいます。
3県の教育委員会などに取材し2月末時点で集計しました。校舎が使えなくなったのは40市町村の149校。統廃合で18校がなくなり、3割に当たる44校が再開しました。プレハブなどの仮設や間借りの77と休校10の計87校のうち、49校が再建計画を策定しました。
岩手県釜石市は、4校が仮設校舎。被害が激しかった鵜住居地区は「まち全体の再建と連動して考える必要がある」(市教委)として、小中2校の新校舎の建設地をめぐる住民協議に1年半を費やしました。宮城県南三陸町も、高台の集団移転先に新校舎を建てる戸倉小は「宅地と学校用地の配置調整に時間がかかった」(町教委)。2015年秋まで町内の志津川小に間借りします。
一方、福島県では除染作業の遅れなどで、9市町村35校は元の場所での再開が未定のまま。全町避難中の浪江町は、九つの小中学校の再開を目指しますが、町教委は「生活基盤は町外で、地元に学校を再開しても子どもが戻ってくるのか分からない」と不安を口にします。