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大飯原発控訴審 口頭弁論・・住民側 地震動データ示せ

(写真)意見陳述した、同慶寺の田中徳雲・住職(南相馬市小高区)(2015年11月30日、山本雅彦氏撮影)
(写真)裁判の報告集会で意見陳述した内容を報告する、同慶寺の田中徳雲・住職(南相馬市小高区)(2015年11月30日、山本雅彦氏撮影)

 関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)の再稼働差し止め訴訟で控訴審の第6回口頭弁論が11月30日、名古屋高裁金沢支部(内藤正之裁判長)で開かれました。住民側は関電側に対し、原発で想定する最大の揺れとされ、耐震設計の要となる基準地震動を検証するための元データを提出するよう求めました。

 住民側は原発敷地の地下構造を3次元的に掌握するための「試掘坑弾性波検査や反射波地震探査を解析した図および、結果を示す根拠となる全ての検査の元データ(生データ)」の提出を求めるとともに、「3、4号機において観測された、敷地周辺の地震動の記録、およびこれによって作成した応答スペクトルの図および耐専スペクトルとの比(残差)を示す図はあるのか」と質問しました。住民側は「原子力規制委員会で評価されているので、この法廷には出さない」と答え、住民側は「規制委に出したから司法で判断する場に出さないとは、どういうことか」と批判しました。裁判所も「示せるものは示したうえで裁判所が判断するのが原則だ」と述べると、関電側は「検討する」と答えました。

 意見陳述では、福島県南相馬市から避難している住職が、「私たちの、ごく当たり前の生活の中で、ごく当たり前の幸せを求める権利よりも、電力会社の発電行為の方が大事なのか」と訴えました。

 また、住民側は「震源を特定せず策定する地震動」と「震源を特定して策定する地震動」のいずれにおいても地震動が過小評価されており、最新の知見に基づいて基準地震動を保守的に設定しなおせば、大飯原発のクリフエッジを超える(長沢意見書を基に、原発の地震動想定が過小評価となりうる現在の手法の問題点を解明しました。

 次回は2016年2月29日で、同日、次々回として新たに6月1日に弁論の日程が決まりました。

(2015年12月1日、山本雅彦)