【パリ=島崎桂】国運気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の開幕に先立つ11月28、29の両日、世界各地で気候変動対策の強化を求めるデモや集会が行われました。
各地からの報道によると、オーストラリアのシドニー、韓国・ソウル、パラグアイのアスンシオン、独ベルリン、英ロンドン、米ニューヨークなどでデモや集会が行われ、プラネットBはない」(地球の代わりはない)「気候の正義を」などと叫んで気候変動対策の強化を求めました。
主催団体の一つ、国際NGO「アバーズ」は、日本を含む2300都市で行動が取り組まれ、約68万3000人が参加したと述べました。同組織のスポークスマンは、「史上最大のグローバルなデモだ」と指摘しました。
ロンドンでは、主催者発表で5万人が、雨の降る肌寒い気候の中集まりました。著名なデザイナー、ビビアン・ウェストウッドさん、女優のエマ・トンプソンさん、労働党のコービン党首などが参加しました。
ニューヨークでは、「化石燃料はオフ、クリーンエネルギーはオン」など思い思いのプラカードを掲げて、マンハッタンを行進しました。
「世界規模で団結を」。AFP通信によると、シドニーでは約4万5000人が集まり、温暖化防止を求めるプラカードを掲げました。医師で母親でもあるケイト・チャールズワースさんは「10年後に子どもが『みんな(温暖化問題で)何をしていたの?』と疑問を抱かないためにも、今、声を上げることが重要だ」と強調しました。
キリバスやツバル、マーシャル諸島といった太平洋の島国では、海面上昇で国全体が水没することへの恐れが広がっています。人権団体オックスファムのジュディ・アダムズさんは「温暖化進行に最も加担していない国々が、最も厳しい影響を受けている」と懸念を示しました。
(時事)
国連総長「今こそ行動の時」
【ワシントン=洞口昇幸】国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は11月29日、30日からパリで開かれる気候変動枠組み条約の第21回締約国会議(COP21)を前に、全ての国と全ての関係者に「今こそ行動の時だ」と、同会議で地球の温暖化対策を前進させる新たな合意の達成に向けて取り組むことを呼びかけました。
パリ入りしている潘氏は、国連発表のインタビューのなかで「世界の指導者たちがCOP21でとても野心的で普遍的な気候変動の合意を採択することに、私はかなり楽観し、確信している」と発言しました。
潘氏は「国連加盟各国のなかでの機運の高まりを見てきた。彼らは行動しなければならないことを理解している」と強調しました。
瀋氏はまた「われわれは時間を無駄にできない」と警告し、気候変動の問題に「国境は関係ない」「世界的現象だ」と、世界各国が自国の利益だけに固執せずに協力して取り組む必要性をあらためて指摘。気候変動対策の一環として、太陽光発電など持続可能エネルギーヘの転換に世界の指導者らが予算を投じることは、各国の「国民経済の後押しにも役立つ」と訴えました。
(「しんぶん赤旗」2015年12月1日より転載)