東京電力と資源エネルギー庁は3月7日、福島県いわき市で地元漁業者の会合に出席し、福島第1原発で汚染される前の地下水をくみ上げ海に放出する計画について説明しました。計画は汚染水対策の一環。漁業者からは、地下水の放射性物質検査の強化などを前提に容認する意見も出ました。
県漁業協同組合連合会は今月下旬の組会長会議で意見を集約し、賛否を判断する方針。野崎哲会長は会合で「苦渋の判断だが、廃炉作業安定化のために地下水放出は認めたいと考えている」と述べ、意見集約への協力を求めました。
東電などは会合で、地下水が1~4号機の原子炉建屋地下で汚染される前にくみ上げ、海に流す計画を改めて説明。セシウム134は1リットル当たり1ベクレル未満、ベータ線を出す放射性物質は同5ベクレル未満など、東電が定めた地下水放出の運用目標も示しました。
漁業者からは、運用目標の順守を求める意見や、風評対策の徹底、海水の放射性物質検査の強化を要請する声が上がりました。試験操業が進む中、風評を懸念する声も根強く、「国も東電も信用できない」という反対意見も出ました。