日本共産党嶺南地区委員会 > 中池見湿地 > 大阪ガスは、活断層の存在を指摘した報告書(総括責任者・河野昭一京都大学大学院理学研究科)への反論の根拠を示して  ・・・つるが草の根の会ら申入れ

大阪ガスは、活断層の存在を指摘した報告書(総括責任者・河野昭一京都大学大学院理学研究科)への反論の根拠を示して  ・・・つるが草の根の会ら申入れ

大阪ガスがLNG(液化天然ガス)備蓄基地の建設を計画している福井県敦賀市の中池見湿地内には活断層の存在する可能性が高いと専門家から指摘された問題で、これを「データの誤読」などと反論した同ガスの鈴木新一郎社長あてに5月8日、その根拠を示すよう求める申し入れがおこなわれました。

活断層の可能性を指摘したのは元通産省地質調査所主任研究官の坂巻幸雄氏。この論文は京都、神戸、福井三大学合同の中池見湿地学術調査チームと日本生物多様性防衛ネットワークが作成した報告書(総括責任者・河野昭一京都大学大学院理学研究科)に掲載。同ネットワークとともに地元のナチュラリスト敦賀「緑と水の会」、つるが草の根の会ら4団体が申し入れしました。

申し入れでは、同ガスの見解に触れ「データの解釈と基地の適地性をめぐる専門的意見の対立であり、基地建設の基本にかかわる問題」とし「内容的に深めたち密な論旨の展開がおこなわれることを強く望んでいる」と指摘。同時に同ガスが97年6月、「基地建設予定地における活断層の存在の可能性については、学識経験者のご指導をえながら、ひきつづき詳細な調査を実施していく予定である」と発表したことについて「現在までの一年間、どなたの指導で、どのような調査がなされたのか」も求めています。


◆敦賀LNG基地予定地「中池見湿地」に関する申し入れ書

平成10年5月6日    大阪ガス株式会社社長新一郎殿

敦賀LNG基地予定地「中池見湿地」に関する申し入れ書

日本生物多様性防衛ネットワーク
ナチュラリスト敦賀「緑と水の会」
中池見シボラの会
中池見を伝える女たちの会
つるが草の根の会

 貴社が福井県敦賀市に「LNG基地」として計画されている「中池見湿地」について、京都・神戸・福井3大学合同中池見湿地学術調査チームと日本生物多様性防衛ネットワークは、このほど共同研究による「中池見湿地(福井県敦賀市)学術調査報告書『第一次調査結果の報告』」を刊行、福井県と敦賀市に提出し、�生物多様性の宝庫である中池見湿地の保護・保全の重要性�地質的な立地条件の劣悪さから見て、自治体として誘致計画を再検討するよう求めました。

これを報道した4月18日付の日本経済新聞によれば、「坂巻幸雄・元通産省地質調査所主任研究官が、大阪ガスが実施したボーリング調査のデータを分析して『活断層である可能性が非常に強い』と指摘している。これに対し、大阪ガスは『データの誤読ではないか』と反論している」と書かれています。

短い記事で、意図が十分に伝わらない面があるとは考えますが、同様趣旨の記事は他紙にも見られることから、坂巻氏の指摘に対して貴社が否定的見解を表明しておられることは事実と受けとめております。

貴社の見解は、当然相当な吟味を経て言明されたものと判断しておりますが、そうだとしますと、この問題はデータの解釈と基地の適地性をめぐる専門的意見の対立であり、基地建設の基本に関わる問題です。従って、その重要性から見て一片のコメントで済まされることではなく、ぜひ内容的に深めた緻密な論旨の展開が行なわれることを強く望んでいます。

つきましては、報告書をお送りしますので、改めて貴社の専門家によるご検討をいただくことを前提として、次の申し入れをいたします。折り返しご回答下さるよう要請いたします。

申し入れ事項

  1. 坂巻論文に対する反論を文書でご提示下さい。特に「誤読」とされた根拠をご説明下さい。
  2. 平成9年6月15日付けの貴社の文書「敦賀LNG基地建設予定地の地質調査データの公開について」のP7で「ただし、このリニアメントの問題はともかくとしても、基地建設予定地における断層層の存在の可能性については、学識経験者のご指導を得ながら、引き続き詳細な調査を実施していく予定である」と発表しておられますが、現在までの1年間、どなたの指導で、どのような調査がなされたのかをお尋ねします。

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です