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「オール福島」の声大きく・・被災3県現状と課題 神山悦子党福島県議団長に聞く

東日本大震災・原発事故から間もなく3年になりますが、今もふるさとに戻れずにいる福島県民は約13万5千人、そのうち約4万8千人が県外に避難したままです。震災関連死は1660人余で直接死を上回っています。原発事故は収束どこ
ろか放射能汚染水問題など危機的状況です。

健康の不安

東京電力福島第1原発から放出された放射性物質で、福島の美しい自然、海も山も田畑も汚され、仕事が奪われ、家族をバラバラにされ、人生まで狂わされました。

県民はこの3年、「低線量被ばく」に悩まされ、とくに子どもがいる世帯にとっては将来の子どもの健康への不安が消えることはありません。

福島県では、原発事故いらい県内原発10基すべての廃炉、徹底した放射能除染、全面賠償を求める「オール福島」の世論と運動が前進してきました。

2011年9月県議会で県内原発全10基廃炉の請願を全会一致で採択し、県も同年12月に態度表明しました。県内59市町村のうち56市町村で全10基廃炉の決議や意見書を可決しています。こうしたなかで福島第1原発の6基すべての廃炉が決まっていますが、第2原発の4基は未定です。

安倍政権は昨年来、原発再稼働や輸出を公言し、原発推進の姿勢をあらわにしてきました。原発を「ベースロード電源」と位置づけた「エネルギー基本計画」の政府案を、今月中にも閣議決定しようとしています。

同政権はまた、昨年暮れに「福島復興指針」、原発事故の賠償基準として国が定めた「中間指針」の第4次追補などを相次いで発表しました。

「福島復興指針」は「復興」の名のもと、原発事故の加害者責任がある国が、被害者である住民と自治体に上からの線引きで格差を持ちこみ、分断と幕引きを図ることなどを内容としています。

「第4次追補」では追加賠償が宣伝されているものの、「故郷喪失」の精神的賠償を帰還困難区域のみに限定し、一括支払い(1人700万円)で打ち切る方針です。

原発ゼロに

居住制限区域と避難解除準備区域は、解除されると1年後には1人月10万円の精神的賠償が打ち切られます。線引きして賠償を切るやり方では安心して生活できる保障がなく、戻りたくても戻れなくなってしまいます。

除染も大幅に遅れています。国が直轄で行う避難指示区域では、再除染を求める声にこたえようとしない現実があります。

「避難している人もしていない人も、故郷に戻りたい人も戻れない人も、すべての被災者が生活と生業(なりわい)を再建できるまで、国と東京電力が責任をもって等しく支援することを、大原則にすえよ」(日本共産党第26回党大会中央委員会報告)という要求は「オール福島」の切実な声です。

安倍政権の「福島切り捨て」を許さず、「オール福島」の運動をいっそう前進させる力になる「原発ゼロ100万人署名」の達成に、党県議団としても力を尽くします。

(聞き手 福島県 野崎勇雄)

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