東日本大震災の津波で岩手県の沿岸部も大きな被害を受けました。主要産業の水産業の設備再建や集団移転のための宅地造成など復興への歩みがみられます。 (東日本大震災取材班)
大船渡市では漁港が破壊され、漁船やカキの養殖いかだなどの設備がすべて流された漁業者も少なくありません。3月、カキの荷さばき場も工事がいよいよ始まっていました。(写真①)
「元通りとはいかないけど、漁船といかだを再建した。あとは荷さばき場など陸上施設だけだ」とカキ養殖業の新沼治さんは笑顔を見せます。
陸前高田市の作業所では、ホタテの貝殻についたカキの稚貝を適当な数に間引き、ロープに巻くカキの種はさみ作業が行われています。(写真②)
同市では、宅地造成のため、海岸部から高台へ土砂を運ぶ巨大なベルトコンベヤーの建設工事が始まっていました。(写真③)
釜石市の中心街では大型店イオンが進出。復興が進まない地元商店からは、経営危機の不安の声も出ています。魚市場があった地域はほとんどが更地のままで、漁港も工事中でした。(写真④)