国と東京電力に原状回復と損害賠償を求めている「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(中昌孝原告団長)の第14回口頭弁論が30日、福島地裁(金澤秀樹裁判長)で行われました。
中谷内一也(なかやち・かずや)同志社大学心理学部数授が、原告側の専門家証人として証言に立ちました。
中谷内氏は、福島県民が抱いている原発事故や放射線被曝に対する不安や恐怖感について「心理学的には、放射能が何ミリシーベルトになれば、不安がなくなるという単純な関係にはありません。リスク認知は主観的なものですので、たとえ1ミリシーベルトであっても、戻りたくないと考えることは、一般人の考え方からすると『間違っている』ものではありません」と証言。原告の恐怖感に合理性と相当性があると主張しました。
被告の国と東電が「年間20ミリシーベルト以下は被害に当たらない」などと暴論を主張していることへの反論として専門家の見解をのべたものです。
次回から、原告本人に対する尋問が始まります。
(「しんぶん赤旗」2015年10月1日より転載)