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誤り全容つかめず・・規制委 もんじゅ「極めて異常」/ 安全重要度分類

 機器の点検漏れなどで運転に向けた活動が停止されている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、点検間隔などに関わる「安全重要度分類」が多くの機器で誤っていた問題について、原子力規制委員会は9月30日、検査で誤りの全容が分からなかったとして、経過や原因など事実関係を10月21日までに報告するよう原子力機構に指示しました。

 もんじゅでは機器の点検漏れ以降も保安規定違反が繰り返されており、規制委の田中俊一委員長は「運転管理していく資質に関わる問題と考えざるを得ない」と述べ、更田豊志委員長代理も「極めて異常」と言うなど厳しい批判が相次ぎました。報告を受けた後、原子力機構の理事長の聴取を決めました。

 重要度分類は機器や設備を安全確保の上で重要なものからクラス1~3に分け、最も重要なものはクラス1とされ、点検頻度を増やすなどの対応が決められています。

 規制庁によれば、原子力機構は同庁の指摘で機器の重要度分類を見直し、3000以上の機器で分類の誤りがあったと8月末に報告。分類直後に集計に誤りがあったと再度報告しました。

 規制庁は、9月3日から実施する保安検査で、状況を確認することにしていました。しかし、誤りの総数も集計のミスなどから再確認する必要があり、原子力機構は確認作業に10月中旬までかかるとしました。

 この問題で関係部署や幹部などでの情報共有のあり方や、組織的な対応の有無も整理されておらず、規制庁は事実関係が確認できなかったとしています。このため同庁は、検査期間中に全体像を把握できなかったといいます。もんじゅは大量の機器の点検漏れが発覚し、規制委が2013年5月に、事実上の運転停止命令を出しています。

(「しんぶん赤旗」2015年10月1日より転載)