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審査終わるか「疑問」・・美浜3号 関電対応に規制委

 関西電力が原則40年の運転期間を延長して再稼働をねらう美浜原発3号機(福井県美浜町)について、原子力規制委員会は9月30日、再稼働の前提となる審査が期限内に終える見通しが立たないとして、関電幹部を呼んで議論することを決めました。

 美浜原発3号機は運転開始から来年(2016年)11月末に40年になる老朽原発。それまでに新規制基準の適合性審査を通り、運転延長の認可を得なければ再稼働はできません。

 関電は3月に新規制基準への適合性審査を申請しましたが、審査に必要な資料提出が遅れています。また、詳しい設計内容を記した工事計画認可や運転期間延長認可の資料も申請されていません。

 このため、更田(ふけた)豊志委員長代理は「極めて深刻な状況。(審査を)フル回転しても間に合うか、自信が持てない」と指摘。田中俊一委員長も「今のままのペースで審査が終わるのか、疑問だ」と述べました。

 一方、規制委は9月30日、美浜原発の敷地内に活断層が存在する「可能性は低い」との専門家チームの評価書を受理しました。

 同原発1〜3号機の原子炉建屋直下などには複数の断層(破砕帯)が横切っています。また敷地の東1キロ地点に南北に走る活断層「白木(しらき)—丹生(にゅう)断層」と敷地内断層の運動の可能性も指摘されています。

 評価書は、敷地内断層について活断層の目安となる「(13万〜12万年前の)後期更新世以降に活動した可能性は低い」と指摘。白木—丹生断層の活動の影響を受けて活動した「可能性も低い」としました。ただ関電が、破砕帯の性状に基づいて活断層かどうかの判断で用いた手法について「更なる検討が必要」などの意見が付き、今後の審査で議論されるといいます。

(「しんぶん赤旗」2015年10月1日より転載)