「愛するふるさと 津島を返せ!」。福島原発事故津島被害者原告団(今野秀則団長)は9月29日、国と東京電力を相手に原状回復と損害賠償を求めて福島地裁郡山支部に提訴しました。
原発事故の責任問う
福島県浪江町で今も帰還困難区域になっている津島地区の住民32世帯、117人が第1陣として提訴したものです。
訴状などによると(1)原状回復する義務があることの確認(2)事故前の水準まで空間線量を下げること(3)目標達成の1年後まで1人当たり月額35万円の慰謝料を支払うこと(4)情報が隠されて津島地区にとどまったことによって高い放射線を浴びた原告らに被ばく慰謝料300万円を支払うこと(5)ふるさと喪失による慰謝料3000万円を支払うことなどを求めています。
同原告団は、最終的には700人以上の原告団を目指しています。
この日朝から、JR郡山駅前で宣伝。午後には郡山市内で提訴決起集会を開き、終日活動しました。
原告の1人の男性(61)は「海、山、川の自然に恵まれ、伝統の豊かな古里で平穏な生活を営んできました。そこに帰りたい」と提訴に至った思いを語っていました。
津島地区に住んでいた夫と結婚した原告の1人(29)は「今回の提訴で津島の皆さんの心情がよく分かりました。頑張っていきます」と決意を述べていました。
今野団長(68)は「国と東電の責任を明確にし、古里を取り戻して原状を回復させる。勝利まで頑張り抜く」とあいさつしました。
(「しんぶん赤旗」2015年9月30日より転載)