国民の声を無視して原発再稼働に突き進む安倍晋三政権に対し、「原発やめろ」「再稼働反対」の声を突きつけようと、「KEEP CALM AND NO NUKES 0922反原発☆首相官邸前・国会前大抗議」が9月22日、行われました。首都圏反原発連合(反原連)の主催。晴天の秋空のもと、のべ1万3000人(主催者発表)が参加し、「再稼働反対」「安倍晋三は原発やめろ」のコールが首相官邸、国会議事堂を包みました。
国会正門前で、反原連のミサオ・レッドウルフさんは、安倍政権の姿勢を批判し、「原発反対、再稼働反対、エネルギー政策の転換を求めて主権者の声を可視化していこう」と呼びかけました。
学者や弁護士、日本共産党の笠井亮、藤野保史両衆院議員、民主党の菅直人元首相(衆院議員)らがスピーチしました。
社会学者の上野千鶴子さんは「あらゆる人がデモに参加することが普通の社会になった。これは、官邸前で原発反対の金曜行動を続けてきた人たちがいたからだ」と発言。笠井氏は「原発にしがみついて再稼働を推進する安倍政権は1日たりとも続けさせてはならない」と訴えました。
これに先立って日比谷公会堂で開かれた集会では、6氏によるトークセッションがおこなわれ、シールズの奥田愛基(あき)さんは「官邸前抗議などの運動がすべて今の運動につながっている。今の運動は、次の人へとつながっていく」と語りました。
東京都渋谷区の女性(67)は「川内原発が再稼働されたが、けっして負けてはいない。運動の盛り上がりに押されて追い込まれているのは安倍政権だ。理屈の通らないことを無理やり通そうとするやり方は許さない」と話しました。
粘り強くたたかおう・・笠井・藤野議員がスピーチ
日本共産党の笠井亮、藤野保史の両衆院議員は9月22日、「反原発☆首相官邸前・国会前大抗議」に参加し、国会正門前でスピーチしました。
笠井氏は「3年半続いた官邸前の抗議行動。『原発なくせ』と訴えてきた皆さんの声が大きくなって巨大な国民的うねり、運動につながりました」と指摘。国民連合政府の提案にふれながら、「圧倒的多数の国民の声を踏みにじる安倍政権を退陣させ、立憲主義、民主主義を取り戻す新しい政治をつくりましょう」と呼びかけました。
藤野氏は、原発立地自治体で原発のない街づくりをめざす住民運動が起こっていることを紹介。「各地の運動の根っこには官邸前行動がある。粘り強くたたかいを続けましょう」と訴えました。
反原連がイベント
ミサオ・レッドウルフさん 安倍政権倒し原発止める
奥田 愛基さん 民主主義は参加してこそ
鎌仲ひとみさん 話し合える場つくりたい
原発ゼロ、再稼働反対を求めて9月22日、首都圏反原発連合(反原連)が東京・日比谷公会堂で開いた「KEEP CALM AND NO NUKES!」。トークセッションや講演、アーティストによるライブがおこなわれました。
トークセッションには、精神科医の香山リカさん、慶応大学教授の金子勝さん、映像作家の鎌仲ひとみさん、社会学者の上野千鶴子さん、シールズの奥田愛基(あき)さんが出演。原発再稼働や、安倍政権の暴走をどう止めていくかなどをテーマに話し合いました。
進行を務めた反原連のミサオ・レッドウルフさんは、運動によって民主党政権は「2030年代原発ゼロ」を決めたが、安倍政権はエネルギー基本計画で原発推進にかじを切ったと指摘。「原発を止めるために、安倍政権を倒さなければならない」とのべました。
「安保法制反対では若者の思いに引きずられて行動した」と切り出した上野さんは「3・11以降、首相官邸前での、うまずたゆまぬ運動の継続があったからこそ、今の風景が生まれた」と強調しました。
香山さんは「みなさんが抗議の場をつくり続けてくれたから、私も自主的に声をあげることができるようになりました。自分は孤独ではないと思えるようになりました」と語りました。
原発事故を扱った映画の上映会をおこなっている鎌仲さんは「今はまだ声があげづらい人にも、自分には何ができるかを考え、話し合える場をつくっていきたい」と発言。
金子さんは「生きるための言葉を届けたときに、民主主義は力をもつと思う。そのために主張し、安保法制や原発再稼働など、おかしいことには声を出していきたい」と話しました。
「全国各地で『今やらないと』と思い立ち、行動するという連鎖が起きて、今の状況が生まれていると思う」と話した奥田さん。「民主主義は、制度としてあるだけじゃダメで、人びとがちゃんと参加しないと劣化していく。民主主義とは他者と生きる能力だと思います」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2015年9月23日より転載)