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“福島に生きる”救援に励まされ教室再開・・プロダンスインストラクター・関根友美さん(45)

社交ダンス教室を開く、関根友美さん、直幸さん夫妻
社交ダンス教室を開く、関根友美さん、直幸さん夫妻

 「人の優しさをしみじみと感じた」。福島県白河市で社交ダンス教室を開く、プロダンスインストラクターの関根友美さん(45)、直幸さん(47)夫妻は、「3・11からの4年間をこう振り返ります。

 東北新幹線「新白河駅」郊外の5階建てのビルでダンス教室を開く関根夫妻。「崩れるのではないか」と思うほどの激しい揺れにみまわれました。

 道路は波打ち、電線はむちを打つようにビュンビュンと鳴きました。ビルは倒壊することはなかったもののヒビが入りました。壁に飾っていた額などはすべて落下して壊れました。

 レッスンを再開したものの5月の連休ごろまでは生徒さんは一人も来ませんでした。

 「お孫さんがいる高齢の生徒さんらは遠くに避難しました。農家の生徒さんも風評被害で収入が減って教室に通わなくなりました」

■ダンスは平和で

 しばらくは無収入でした。生徒数は今も2割から3割は減っています。「ダンスは趣味の世界ですから真っ先に節約の対象になってしまいます」と、友美さんは被害の深刻さを語ります。

 民主商工会の会員の友美さん。「ガソリンがない。食べるものもない」ときに知り合いの救援支援に励まされました。

 「助けてくれる人がたくさんいる」ことを実感しました。

 日本で社交ダンスが庶民に広まったのは、戦後になってからです。スポーツ的な一面も見直され、現在は、オリンピック種目採用を目指して、競技会や世界選手権などが全国で行われています。

 関根さん夫妻は、全東北競技会で全東北ラテンアメリカチャンピオンになりました。

 両親も福島県浅川町で社交ダンスを教えています。「ダンスは好きではなかったのですが、ダンス教室を継ぐと夫が言ってくれて本格的に勉強しました」

 白河市は福島県の南部に位置し、東京電力福島第1原発から約80キロ離れています。

 放射線量は毎時0・09〜0・5マイクロシーベルトと公表されていますが、「除染作業員の方が昨年12月に測って、高いところで、家の庭の隅で0・6マイクロシーベルトぐらいありました」と友美さんは心配しています。

 「3・11」東電の原発事故当時、長男は中学3年生、長女は小学4年生。長男は卒業して仙台市の専門学校へ進学しましたが、「途中で退学してもらい、就職させました」と言います。

■戦争法案廃案に

 「原発の再稼働に反対です。ダンスは平和でないと無理です。戦争法案は廃案にすべきです」。生業訴訟の原告に加わり、裁判傍聴などに参加しています。

(菅野尚夫)

(「しんぶん赤旗」2015年8月30日より転載)

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