気象庁は3月10日、東日本大震災の巨大地震(マグニチュード=M9・0、最大震度7)の余震について、全体的に減少しているが、震災前に比べると東北地方の沿岸部や日本海溝付近で多い状態が続いていると発表しました。
青木元地震情報企画官は記者会見で「沿岸近くの余震は揺れが強い場合がある。M7以上の可能性は低くなっているが、まれに大きな余震が発生することがある」と説明。海岸付近で強い揺れを感じたり、津波警報が発表されたりした場合は、直ちに高台に避難するよう呼び掛けました。
岩手沖から千葉沖にかけての余震域では、本震発生から1年目はM5以上が本震含め653回、最大震度4以上が242回でしたが、2年目は84回と45回、3年目(3月10日午後5時まで)は56回と32回に減りました。震度1以上の総合計(同)は1万602回。
本震は日本海溝で海側プレートが陸側プレートの下に沈み込む境界付近が大規模に滑って起きました。その反動で日本海溝の外側(アウター)にある海側プレートの盛り上がり部分(ライズ)が引きちぎれる「アウターライズ型」の地震による津波が懸念されており、実際に昨年(2013年)10月には福島沖でM7・1、最大震度4の地震が起きて津波も観測されました。
青木企画官は2004年にインドネシア・スマトラ島沖でM9・1の大地震と津波が発生した後、12年にM8・6のアウターライズ型大余震と津波が起きた例を挙げ、「今後も起こらないとは言えない。引き続き注意してほしい」と述べました。