関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)に対して県内外の住民らが行った再稼働差し止め仮処分申し立ての第3回審尋が5月20日、福井地裁(林潤裁判長)で開かれました。
関電が、高浜原発3、4号機(同県高浜町)への差し止め仮処分決定(4月)を不服として行った保全異議申し立ての審尋も開かれ、今後二つの審尋は同時に進められる方針が決まりました。次回以降は9月3日と10月8日の日程が決まったほか、11月13日も予定に加えられました。高浜3、4号機は、異議申し立てや本裁判で決定が覆されない限り、法律上は再稼働できなくなっています。
住民側は審尋後の会見で決意を表明し、高浜3、4号機については「仮処分決定を再確認させる」とし、大飯3、4号機については「再稼働までに(差し止めの)仮処分決定をもらう」とのべました。
関電は高浜3、4号機に対する仮処分決定の執行停止も申し立てていましたが、福井地裁は18日付で「決定を取り消すような明らかな事情について説明があったとはいえない」として却下しています。
津波想定排除 国の甘さ指摘・・かながわ訴訟原告
東京電力福島第1原発事故で神奈川県に避難を余儀なくされた被災者174人が、国と同社を相手取り損害賠償などを求めている「福島原発かながわ訴訟」の第9回口頭弁論が5月20日、横浜地裁(相澤哲裁判長)でありました。原告弁護団の栗山博史弁護士が、地震・津波は「想定外」だとする両被告の主張に再反論しました。
栗山弁護士は、国が、波源(津波の発生につながる地殻変動)モデルの想定から、869年の貞観地震・津波の波源域の推定を外していた問題を指摘。複数の研究成果で波源域は宮城県沖から茨城県北部の長さ約200キロ、幅約50キロと推定されている事実から、この波源域の推定を波源モデルの想定から排除すべきではなかったと指摘しました。
次回は7月22日午後2時からです。
(「しんぶん赤旗」2015年5月22日より転載)