1号機は廃炉濃厚に
北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)の敷地内の断層が活断層かどうかを評価している原子力規制委員会の専門家チームは5月13日の評価会合で、1号機原子炉直下などを通る断層について「活断層の可能性を否定できない」とする見解で一致しました。今後、評価書案の作成に入り、次回会合で提示します。
原発の新規制基準は、将来動く可能性のある断層の上に重要な施設を設置することを認めておらず、志賀原発1号機は廃炉になる可能性が濃厚になりました。北陸電は活断層を否定しています。
会合では、チームを構成する学会推薦の外部専門家4人が見解をそれぞれ表明。1号機原子炉直下を通る「S−l」断層について、建設当時に掘ったトレンチ(溝)の壁面図で見られる地質構造は「(断層活動以外に)合理的な説明ができない」などの意見が相次ぎました。
また、2号機のタービン建屋下を通る「S−6」断層についても、断層に沿って認められる海側の線状地形のボーリング調査結果から、活断層の可能性を否定できないとの見解で一致。この断層とつながる「S−2」断層についても、同様の見解で一致しました。
北陸電は昨年8月、2号機の再稼働に向けて、新規制基準への適合性審査の申請をしています。しかし、冷却用の海水を取り込む配管などの重要施設が、活断層の可能性が否定できないとされた断層の上にあります。
今回の評価では、2号機原子炉直下を走る別の断層については、判断が示されませんでした。
専門家からは、志賀原発から東約1キロにある活断層「福浦(ふくら)断層」や、海域の兜岩(かぶといわ)沖断層の最新活動年代などを明確にする調査を求める意見が出されました。
(「しんぶん赤旗」2015年5月14日より転載)