東京電力福島第1原発で、汚染水の放射性物質を大幅に減らす装置「ALPS」(アルプス)の廃液を保管する容器上部や周辺で見つかった高濃度汚染水について、東電は4月22日、容器から廃液が漏れ出たとの見解を明らかにしました。容器内のガスによって廃液の水位が上昇した可能性があるといいます。原子力規制委員会の検討会に報告しました。
これまで調査した保管容器103基のうち、23日までに14基で廃液とみられる水が確認されました。いずれも昨年10月末から11月上旬にかけて施設内に保管され、容器側面の放射線量は毎時6・9〜13・2ミリシーベルトと比較的高かったといいます。漏れた汚染水からは、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)を1リットル当たり76万〜390万ベクレル検出。容器内の廃液には水素や一酸化炭素のガスが含まれていました。東電は当初、廃液の漏出を否定していました。
東電は施設内に吸着マットを設置したり、容器内の廃液の水位を下げたりする対策を実施します。廃液は容器周辺にとどまっているといいます。
(「しんぶん赤旗」2015年4月24日より転載)