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ETV特集 終わりなき戦い(NHK Eテレ4月18日放送)・・福島で放射線と格闘

福島で住民の相談に応える安斎さん(中央)たち
福島で住民の相談に応える安斎さん(中央)たち

 原発事故後、県内の保育園で最も線量の高かった福島市渡利地区のさくら保育園。事故後に生まれた園児たちが土手の草の上ではいはいし、小さな指で土を掘り虫を捕まえ木の実を拾う。未知への興味で輝く瞳。しかしこうなるまでには気の遠くなるような努力があったし、それはこれからも続くのだ。

 その努力の中心にいるのは放射線防護学者の安斎育郎氏(75)をリーダーにした5人の行動する専門家たちのボランティア集団だ。

 「事故の責任追及は大切だが、目の前の安心と安全を優先」をモットーに、月に3回、福島に通い続けている。

 やることは具体的だ。SOSを出した人を訪ね不安を聞き、助言だけでなく応急処置をする。寄せられる不安はさまざま。山菜やキノコの安全は、若者を村に戻したい、除染後の線量が高い、河川敷でたこ揚げをさせたい、通学路は大丈夫か、食材の線量を手軽に測定できないか・・。平均年齢67歳近い5人が時には住民と座談をし、時には庭の表土を削り、食材の線量を簡単に測定できる機器を開発する。その行動力は若者顔負けだ。

 今話題の「粛々と」。本来の意味は「静かにひっそりと厳かなさま=広辞苑」だ。この人たちにこそふさわしい言葉だ。民意を無視して暴走する人々には使ってほしくない。

(口山衣江 ライター)

(「しんぶん赤旗」2015年4月23日より転載)

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