東京電力福島第1顔発で4月9日、1号機のタービン建屋内のボイラー室とディーゼル発電機室にたまっている高濃度放射能汚染水の水位が、近くのサブドレン(地下水くみ上げ用井戸)の水位を上回った状態になっていることがわかりました。汚染水の水位が周辺地下水の水位を上回ると流出する恐れがあるため、東電は汚染水の水位を下げるために移送を開始しています。
東電は7日午後、ボイラー室の水位がサブドレンの水位を上回った状態であることを確認。9日現在も8・5センチ上回っています。ディーゼル発電機室の汚染水の水位もサブドレン水の水位を6センチ上回っていることを同日確認しました。
東電は、両室は外部との水の行き来はない独立したエリアだとし、汚染水の水位に変化がないため、外部への流出はないとみています。
建屋内の水位が周辺地下水の水位を下回るようにするため、同日にボイラー室の汚染水を移送開始。ディーゼル発電機室の汚染水も今後移送するとともに、近くのサブドレン水の放射能濃度を測定するとしています。
ボイラー室の汚染水の放射能濃度は、セシウム134が1リットル当たり835万ベクレル、セシウム137が同3280万ベクレル、全ベータ(ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質)が同3570万ベクレル、トリチウム(3重水素)が同16万2000ベクレル(いずれも3月17日測定)。
事故を起こした同原発は、通常の原発とは異なる「特定原子力施設に係る実施計画」にもとづいて管理されています。
実施計画では、建屋内の水位が近くのサブドレンの水位を下回っていることを毎日1回確認し、水位が逆転した場合は建屋内の水位が下回るようにする措置をとるとともに、サブドレン水の放射能濃度を測定することとしています。
(「しんぶん赤旗」2015年4月10日より転載)