問題だらけの危険な原発に、なぜ安倍晋三首相はこだわるのですか。
■原発「共同体」守るため
原発の建設費用は1基5千億円とも言われます。そこに多くの利権集団が群がり「原発利益共同体」をつくりだしています。電力会社や原子炉メーカーをはじめ、ゼネコン、鉄鋼・セメントメーカー、大銀行、原発推進の政治家、特権官僚、学者、一部メディアも含まれます。
安倍首相が原発にこだわるのは、この「共同体」を守るためです。
「共同体」からは巨額の政治献金が自民党や民主党に流れてきました。その額は、東京電力福島第1原発事故の前年の2010年だけで約6億円に達します。これは、政治資金収支報告書に記載された額であり、氷山の一角にすぎません。
歴代政権は、原発は安全で安定的で安価な電力だといってきました。福島原発事故でこうした根拠はすべて崩れ、原発は危険で不安定で、ひとたび事故が起きれば際限ない費用を生じさせることが明らかになりました。全原発が停止しても電気は足りています。
安倍政権は「日本の強みのある技術」を輸出し、日本経済を成長させるとしています。原発もその柱と位置付け、首相自ら各国に売り込んでいます。そのことも、日本で原発を.維持する理由にされています。世界に危険をばらまくものです。
(2015・4・10)
(「しんぶん赤旗」2015年4月10日より転載)