宮城県女川町の仮設住宅で1人暮らしの松井さく子さん(80)を訪ねると、仮設仲間の女性たち5人で「お茶っこ」(お茶飲み)の真っ最中。全員が「300人実態調査」に答えてくれました。
増税痛手96%
「『お茶っこ』は、つらい仮設の生活で唯一の楽しみ」と松井さん。なごやかに取材に応じる女性たちですが、政治に話がおよぶと「被災者に冷たい」と、口をそろえて批判します。
なかでも憤るのは消費税増税。全員が「大打撃になる」と答えました。4月から復興公営住宅に移るという女性(76)は「電化製品などを買いそろえるのに、すべて消費税がかかる。先のことを考えると夜も眠れないのに、国は被災者に思い
やりがない」と訴えます。
実態調査では、消費税増税が「大打撃」67%、「少し打撃」29%と96%もの人が痛手になると笞えています。
増税は、すすんでいない生業(なりわい)再建にも冷や水を浴びせます。岩手県大船渡市でカキ養殖に取り組む新沼治さん(68)は「消費税は赤字でも納めなくてはいけない税金。景気が悪くなり、税収が落ちるという悪循環がひどくなる」と
語ります。
国民生活見て
公的支援の継続・拡充という被災者の願いには向き合わない政府。一方で、消費税増税、環太平洋連携協定(TPP)参加、原発再稼働など復興の妨げ
となる施策を推し進めようとしています。
原発事故で福島県の浪江町から福島市内の仮設住宅に避難している桜井若子さん(88)は怒りを込めて言います。「安倍首相は、国民の方に向いていない。
ゼネコンばかりもうけさせるのでなく、国民の生活を見て、私たちの声を聞いてほしい」
一方、震災からの復興・生活再建に真剣に取り組む日本共産党には共感と信頼が広がっています。岩手県宮古市の仮設住宅で暮らす女性(70)は「共産党のことはよく知らなかったが、被災してから、一番被災者に寄りそってくれることがよくわかった」と話します。
今回の実態調査でも明らかなように長期化する避難生活で、いっそう苦境に追い込まれる被災者。その生活再建と真の復興の方向を示す政治への転換が求
められます。(おわり)
調査した場所・・【岩手県】宮古市、陸前高田市、山田町、大槌町【宮城県】仙台市、気仙沼市、石巻市、東松島串、多賀城市、塩釜市、名取市、岩沼市、南三陸町、女川町、七ケ浜町、亘理町、山元町【福島県】福島市、郡山市、伊達市、相馬市、南相馬市、田村串、いわき市、桑折町、川俣町、新地町、三
春町、楢葉町、広野町、3県19市13町
回答者の年令・・【20才以下】4%、【30代】4%、【40代】10%【50代】15%【60代】24%【70代】29%、【80代以上】14%