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炉心から全燃料落下・・福島第1 透視技術で確認 & 地下水トリチウム 10日の17倍濃度

 2011年の東京電力福島第1原発事故で原子炉内の核燃料がどうなったかを原子炉透視技術で調べる計画で、東電は3月19日、1号機の原子炉格納容器内で核燃料が下に溶け落ちているとみられるデータが得られたと発表しました。

 計画は、高エネルギー宇宙線を利用してレントゲンのように透視する技術を利用。2月12日に測定装置を1号機の原子炉建屋に設置し、測定を続けてきました。

 その結果、本来燃料があるはずの炉心位置に1メートルを超える物質の存在が確認されませんでした。事故による冷却停止ですべての燃料が溶融し、下部におちているとみられます。

 東電はこれまで、原子炉内の温度などから燃料が溶融していることを推定してきましたが、それが初めて裏付けられた形です。また東電は、炉心部に水はたまっていない可能性が高いとし、使用済み核燃料プールには燃料があると推定しています。東電は今後、格納容器の下部をロボットで調べるとともに、2号機の原子炉も透視技術を使った測定装置で調べることにしています。

 

地下水トリチウム 10日の17倍濃度・・福島第1汚染水漏れ

 東京電力は3月18日、福島第1原発で2014年2月に汚染水がせき外に漏れたタンク近くの観測用井戸で、17日に採取した地下水のトリチウム(3重水素)濃度が1リットル当たり3400ベクレルとなり、前回10日時点の値の17倍に上昇したと発表しました。

 東電によると、このタンクは4号機原子炉建屋の南西方向にあります。今回濃度が上昇した井戸のトリチウム濃度がこれまでで最も高かったのは、14年6月で同480ベクレルでした。東電が地下水をくみ上げて海に放出する「地下水バイパス」で定めたトリチウム濃度の運用基準は、同1500ベクレル未満。

(「しんぶん赤旗」2015年3月20日より転載)

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