年末の第21回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)に向け、各国が削減目標の発表を始めるなか、日本の目標について考える国際シンポジウムが3月20日、東京都内で開かれました。主催は環境NGOのネットワーク、CAN─Japan。市民や研究者100人が参加しました。
COP21で合意する意義や各国の動向などを世界的なシンクタンク、世界資源研究所のソン・ランピンさん(北京在住)が特別講演しました。
日本政府への提言を経済界とNGOそれぞれが報告。「グリーン経済への移行」などを政府に要望しているのは8社でつくる日本気候リーダーズ・パートナーシップです。リコーの則武祐二さんは「気候変動対策の強化は日本の競争力の強化・維持につながる」と話しました。
「2030年までに90年比40〜50%を削減する」などのCAN─Japanの提言を紹介した山岸尚之さん(WWFジャパン)は「削減の可能性ではなく、気温上昇を2度未満に抑えるために必要な削減量を出発点にするべきだ」と強調しました。
政府の審議会メンバーでもある高村ゆかり名古屋大学大学院教授が討論に参加し、「政府は非常に速いスピードで決めようとしているが、国民的議論にすることが重要」とコメントしました。
(「しんぶん赤旗」2015年3月21日より転載)