ドイツのヘンドリクス環境・原子力安全相は3月10日、「福島は警告し、(政策)転換を促した」と題した声明を発表し、「チェルノブイリ事故後25年たって起きた福島の事故は、原子カエネルギーを使うことが人間、自然、環境にどのような破壊的な結果をもたらすかを見せつけた」と原発事故のすさまじさを強調しました。事故後、ドイツで「できるだけ早い原発廃止へ広い社会的合意ができた」とそれまでの原発稼働延長政策からの転換を社会的合意の下で実施したと表明しました。
(片岡正明)
各地でデモ・・議会も一致
ドイツ各地では、7日から11日にかけて、「原発はごめん」のデモが催されました。脱原発については、連邦議会で全会派が一致しています。
破局的事故対策・・欧州の共同一致
ヘンドリクス環境相は、原発の安全性を高めるためには、福島事故後の新たな対策をこうじる必要がある」と指摘・原発事故の可能性がわずかなものだったとしても、破局的な原発事故が起こった場合の行動計画の準備が必要なことを福島から学んだとし、連邦政府、州政府、原発運営の企業などが協力して、毎年、稼働中の原発の安全対策を更新し、公開していると述べました。
また、放射能に国境はないと表明。ドイツの隣国には多くの原発が稼働している中で、独環境省がイニシアをとり、原発事故対策での欧州共同行動を提起し、昨年末には一致したと述べました。
ドイツは2011年3月の福島第1原発事故後、数日を待たずに比較的古い7基の原発の稼働を停止。同年7月には、22年までに17基の全原発稼働停止と発電量不足を自然エネルギーで補う「エネルギー転換」政策を法として決定しました。現在まだ9基が稼働中ですが、順次、稼働を停止します。
(しんぶん赤旗2015年3月13日付けより転載)