運転へ向けた活動が止められている日本原子力研究開発機構の高速増殖炉「もんじゅ」で、過去に未点検とされた機器のうち依然5000個近い機器の点検が実施されていないことがわかりました。3月4日の原子力規制委員会の定例会合で報告されました。
「もんじゅ」では2012年に多数の機器で点検期間超過が発覚し、その後も機構の報告書に不備が見つかるなどしました。このため規制委は、13年5月に保守管理体制の再構築などを命令。その確認が完了するまで「もんじゅ」の使用前検査を進めるための活動を行えないこととしました。
昨年12月、機構は必要な対応を実施したとして、命令に対する対応結果報告や保安規定の変更認可申請を提出。先月には報告書の補正を提出していました。
規制庁によると報告書では、機構は約7000の未点検機器の約7割、4967個の機器を原子炉への影響がないことを技術評価で確認するなどして点検期間を超過した機器の使用を認める「特別採用」とすることで、「未点検機器を解消した」としています。
しかし、規制庁は、「点検が行われていないことには変わりがない」と指摘。速やかな点検の実施や技術評価内容の記録を示すことを求めています。
(「しんぶん赤旗」2015年3月5日より転載)