東京電力福島第1原発敷地内の排水路を通じて高濃度の放射能汚染水が海洋に流出する状態が長期間続いた問題で、2号機原子炉建屋山側にある大物搬入口屋上から汚染水が流れ込んだとする東電の説明に対し「主な原因ではないのでは」と指摘されました。4日に開かれた原子力規制委員会の検討会で更田豊志委員長代理などから意見が相次ぎました。
更田氏は、「(排水路の汚染原因は)あちこちにある事故時の降下物が流れ込んでいるからではないか」などと述べ、サンプルに土壌を含んでいるかどうかを区別した調査を東電に求めました。別のメンバーからも「雨の時に濃度が上がっているのは不思議だ。排水路に流れ込んでいる枝の排水路で高レベルの汚泥があり、底部にたまっているのではないか」との指摘もありました。枝の排水路からは放射性セシウムが1リットル当たり93万ベクレルの汚泥も見つかっています。また、外部専門家からは「雨対策が手つかずでは大変怖い。屋上以外の原因を考えないといけない」と述べ、雨対策を求める意見もありました。
検討会では、別の排水路で先月22日に放射能汚染水が港湾に流出した問題で、東電はいまだに原因がわからないとしました。また、港湾内に流出した放射能を全ベータ(ストロンチウム90などのベータ線を出す放射性物質)で約4億ベクレルと推定する値を、東電が示しました。
(「しんぶん赤旗」2015年3月5日より転載)