東京電力福島第1原発で排水路から放射能汚染水が港湾に流出した問題で、東電は2月23日、放射性物質が高濃度であることを示す警報が鳴ってから、流出を阻止する作業まで1時間半かかっていたことを明らかにしました。その間、汚染水が港湾に流出したとみられます。汚染水が排水路に流入した原因はいまだ分かっていません。
東電によると、警報が最初に鳴ったのは22日午前10時ごろ。10分後にはさらに高濃度の警報が鳴りました。
港湾への流出を止めるために東電が排水路の最も下流にあるゲートを閉めたのは同11時35分。警報の約1時間半後でした。
東電の小林照明原子力・立地本部長代理は23日の記者会見で、汚染水貯蔵タンクからの漏えいについての確認を優先したと説明しましたが、ゲート閉止はタンクの確認からも1時問あとでした。
小林氏は「手順通り。今のところ問題があったとは聞いていないが、改善すべきところは改善したい」と述べました。汚染水の港湾への流出量については、「評価中で分かっていない」としました。
東電は放射性物質濃度が通常の範囲に低下したとして、23日未明に排水路のゲートを再び開きました。
(「しんぶん赤旗」2015年2月25日より転載)