電気の「固定価格買い取り制度」のことを教えてください。(新潟県・女性)
利用者に賦課金の負担
「固定価格買い取り制度」とは、再生エネルギーで発電した電力を、電力会社が一定の期間、一定の価格で買い取ることを義務付ける制度です。太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスの再生エネを対象に、2012年7月1日から実施されています。
買い取り価格や期間は電源ごと、規模ごとに経済産業大臣が決定します。買い取り価格は毎年度、見直されます。
「固定価格買い取り制度」で電気を買い取ってもらうには、経産省に申請して設備認定を受けること、電力会社と接続契約をすることが必要です。
各電力会社は、再生エネの買い取りに要した費用全額を「再生エネ賦課金」として電気料金に上乗せし、全額、電力使用者の負担としています。14年度の賦課金は総額6500億円(推計値)、標準的な家庭で月225円の負担となっています。
再生エネの普及と電力使用者の負担の抑制を両立させるには、すでに電気料金に含まれ原発関係の補助金や立地交付金に使われている「電源開発促進税」(年間3600億円)を買い取り費用に活用するよう検討するべきです。
原発再稼働を前提にした買い取り量の抑制や、大口電力消費事業者の再生エネ賦課金減免制度、大型発電施設の利益第一による環境問題など、見直すべき課題が多くあります。
経産省案 住宅用太陽光33円に・・3年連続 買い取り価格引き下げ
経済産業省は2月24日、太陽光や風力など再生可能エネルギーでつくる電気の購入を大手電力会社に義務付ける「固定価格買い取り制度」に関し、2015年度の買い取り価格案を公表しました。太陽光の価格を住宅用(出力10キロワット未満)は、現在の1キロワット時当たり37円から33円に引き下げます。
事業者用太陽光(同10キロワット以上)は現在の32円を4月に29円、7月には27円へと段階的に下げます。住宅用、事業者用とも、12年7月の制度開始以来3年連続の引き下げとなります。
経産省の有識者委員会(委員長・植田和弘京大大学院教授)は24日、これらの案を了承しました。同省は一般の意見公募を経て、3月中に買い取り価格を正式に決めます。
東京、中部、関西の電力3社管内以外の地域の住宅用太陽光の買い取り価格は、35円とやや高めにします。
一方、普及が遅れている風力や地熱、中小規模の水力などの買い取り価格は据え置きます。
(「しんぶん赤旗」2015年2月25日より転載)