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「原発回帰政策」電力会社を救済・・原子力市民委が議論

公開の会議「第12回原子力市民委員会」で報告する大島堅一氏ら=2月23日、東京都千代田区
公開の会議「第12回原子力市民委員会」で報告する大島堅一氏ら=2月23日、東京都千代田区

 研究者・有識者を結集し原発ゼロ社会をめざす政策提言を行ってきた原子力市民委員会(吉岡斉座長)は2月23日、東京都千代田区内で、公開の会議「第12回原子力市民委員会」を開きました。原発再稼働や事業存続をめざす政府の「原発回帰政策」の様相について報告、論議しました。

 立命館大学教授の金森絵里氏が「原発の会計制度と電気料金からみる原発政策」と題して報告しました。同氏は、経済産業省の審議会などの提案や議論の内容を紹介。原発廃炉をめぐり、電気料金に上乗せさせる形で、電力会社が抱えるリスク・コスト負担をいかに軽減するかの方向が顕著と指摘しました。

 座長代理の大島堅一氏(立命館大学教授)は昨年閣議決定された政府の「エネルギー基本計画」で、「事業環境のあり方について検討」などとする原子力事業の位置づけの問題点を指摘。原発事故損害賠償が限度額を超えれば自動的に国民負担にする「有限責任化」など、画策されている新たな原発保護政策を批判し、「数兆円規模になる電気料金など国民負担による″電力会社救済策″でいいのか、国民的な議論が必要だ」と語りました。

 吉岡座長(九州大学教授)が原発再稼働への動きと、原子力市民委員会や各地での取り組みについて報告し、交流しました。

(「しんぶん赤旗」2015年2月24日より転載)

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