東京電力福島第1原発事故で避難生活を余儀なくされた双葉町、楢葉町、浪江町などの避難者が東京電力に損害賠償を求めた福島原発避難者訴訟(早川篤雄原告団長)の第9回口頭弁論が2月18日、福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)で行われました。
原告側は、福島県川俣町山木屋で農業を営む渡邊新一さん(54)と、菅野源勝さん(67)が意見陳述しました。
渡邊さんは、葉タバコ、水稲、繁殖和牛などで生計を成り立たせてきましたが「帰還困難区域」になり、農業ができなくなったことを陳述。「東京電力は、原発事故の重大さを認識し、適正な責任をとり、安全、安心な生活を送ることができるようにし、二度と重大な事故を起こさないでほしい」と訴えました。
菅野さんは、山木屋で農業を100年以上営む続く4代目。「私たちは田畑や家屋、仕事をすべて失っただけでなく、故郷・文化・文化的遺産を丸ごと失った」と述べました。
菅野さんは「私たちの故郷を思う気持ちを理解して、原発の廃絶と早期に救済すること」を訴えました。
次回4月15日に原告本人尋問を行うことが決まりました。同日39世帯、107人が第5次提訴しました。
(「しんぶん赤旗」2015年2月19日より転載)