東京電力福島第1原発事故の汚染土を保管する中間貯蔵施設をめぐり、環境省は2月6日、建設予定地のある福島県大熊町の町議会に、国と地元自治体が結ぶ安全協定案の素案を示しました。県や建設予定地の同県双葉、大熊両町が、立ち入り調査し、建設の中断や汚染土の搬入停止を要求できる権限があることを盛り込みました。
素案は、同日開かれた大熊町議会の全員協議会で示されました。千葉幸生議長は終了後、記者団に「われわれの要望が入っている。(全員協で)否定的な意見は出なかった」と一定の理解を示しました。同町は今後、県などと内容を検討し、同省との協定締結に向け調整を進めます。
福島第1の3号機・・トレンチ充填開始
東京電力は2月5日、福島第1原発3号機のタービン建屋から海側に延びる海水配管トレンチ(トンネル)にたまっている高濃度放射能汚染水を抜き取るため、トレンチをセメント材で充填(じゅうてん)する作業を始めました。
この日の作業では100立方メートルのセメント材を投入しました。東電は、3月までにトレンチを埋め、汚染水を抜き取る目標を達成できるかどうかについて、同日夜の会見では「精査中」としました。
2、3号機の同トレンチの汚染水抜き取り工事をめぐって東電は昨年4月以来、トレンチと建屋との接合部の水を凍結させて止水しようとしてきましたが、凍結止水に失敗し、断念。同11月にセメント材をトレンチに入れて埋めながら汚染水を抜き取る工法への変更が国の原子力規制委員会の専門家会合で了承されました。
2号機については昨年12月にトレンチの閉塞(へいそく)作業を終え、その後水の漏えいがないことを確認しています。
(「しんぶん赤旗」2015年2月7日より転載)