原発再稼働の前提となる新規制基準への適合性審査で、九州電力は2月5日、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩
川内市)について、申請内容の再補正を1号機は2月末に、2号機は3月末に原子力規制委員会に提出する方針を明らかにしました。
九電の中村明上席執行役員は「耐震強度などについて、記載内容の詰めを行っているが、もうしばらく時間が必要だ」とした上で、「1号機は2月の最終週、2号機はだいたい1カ月後をめどに再補正を提出したい」と述べました。
同原発については、規制委は昨年9月、基本的な設計や対策が「新基準を満たす」と判断。最終的な審査“合格”に向け、具体的な機器設備の仕様を決める「工事計画認可」と事故時の手順などを定めた「保安規定変更認可」の審査に入っています。
九電は同年10月までに、二つの認可の補正申請を出しましたが、審査の中でさらに不十分な点が明らかになり、同社は11月に、年内に再補正を提出する意向を示していました。
最終的な審査″合格″となっても、規制委が実際の設備・機器の検査を行う「使用前検査」が必要です。九電は1号機を先に起動する方針で、使用前検査についても、1号機の作業を優先させる方針です。
福島第1死亡事故・・元請けの会社と責任者書類送検
東京電力福島第1原発の工事現場で2014年3月、作業員1人が土砂の生き埋めとなり死亡した事故で、富岡労働基準監督署は2月5日、労働安全衛生法違反の疑いで、元請けの「建装工業」(東京都)と、同社の現場責任者の男性(52)を福島地検に書類送検しました。
送検容疑は14年3月28日、第1原発で倉庫の基礎部分の補修工事のため、下請け業者に地面の掘削などを行わせた際、土砂崩れ防止のための措置を取らず、掘削工事のために必要な資格のある者を立ち会わせなかった疑い。
富岡労基署による
と、現場責任者の男性は、発注者である東電の定めた同年3月末の工期が迫っていたため「急いでいた」と話しているといいます。
事故は同月28日午後2時20分ごろ発生。最大で2・7メートルの穴の中で作業していた安藤堅(かたし)さん=当時(55)=が倉庫の下にあるコンクリートを砕いたところ、上にたまっていた土砂の下敷きになり死亡しました。
(「しんぶん赤旗」2015年2月6日より転載)