東京電力福島第1原発事故被害で、国と東電に損害賠償を求めた「元の生活を返せ・原発被害いわき市民訴訟」(伊東達也原告団長)の第9回口頭弁論が1月14日、福島地裁いわき支部(杉浦正樹裁判長)で開かれました。
原告側は安斎輝雄さんと、氏家裕貴さんが意見陳述。安斎さんは筋ジストロフィーの障害を持つ、障害2級の認定を受けている中で原発事故にあい、仕事を失ったばかりか、障害も進行した経緯を陳述しました。
安斎さんは、筋萎縮と筋力低下を進行させないために医者からは適度な運動がともなう仕事が良いということでタクシーの運転手をしてきました。
会社は避難指示区域の楢葉町にあり、閉鎖になり安斎さんは整理解雇となりました。仕事を中断したことで症状が悪化。立ったり、座ったりするにも人の手を借りなければならなくなりました。
「私たち日本人が、原発から手を引くという勇気ある決断をするときです」と訴えました。
氏家さんは、福島県常磐沖の地魚を出す和食店を営んできました。地魚を提供できなくなり、経営上も大変になりました。「いわきの海を愛し、海とともにたくさんの人が豊かな生活を送っていたことを分かっていただきたい」と、福島県沖の海を放射能で汚した東電を厳しく断罪しました。
(「しんぶん赤旗」2015年1月15日より転載)