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安倍政権 原発再稼働に躍起・・国民反対 暴走を止める年

 安倍政権は国民多数の原発反対の世論を無視して、再稼働に躍起です。総選挙後も安倍首相は「原子力規制委員会が、再稼働に求める安全性を確認した原発は、再稼働を進める」と表明、強行の構えです。今年は、この暴走を許すかどうかの大きな節目です。

「安全基準」の口実破たん

 一昨年(2013年)の9月に関西電力大飯原発4号機が停止してから約1年3ヵ月余。国内にある原発48基は1基も稼働していませんが、電力は賄えています。

 にもかかわらず政府は、九州電力川内(せんだい)原発(鹿児島県)の適合性審査″合格〃をてこに、全国で原発の再稼働を進めようとしています。

21基申請

 現在、14原発21基で、適合審査の申請が出されています。各社がこれほど申請しているのは、安倍政権が原発を「重要なベースロード電源」と位置づけて、原発依存路線に固執しているためです。

 実際、原子力規制委員会では、川内原発の審査書を「ひな形」に審査を加速。規制委の田中俊一委員長は、九電玄海原発、関電大飯原発、四国電力伊方原発も「そう遅くない時期に結論は出る」と述べているほどです。また、敷地の断層が活断層ではないかと指摘されている原発について、現在、専門家の会合が続けられていますが、可能な限り早く断層の評価をまとめて、審査に入る動きを強めています。

 しかし、規制基準に合格したとしても、「絶対安全」を意味するものでないことは、規制委の田中委員長も繰り返し発言しています。

 「世界最高水準の安全基準]で再稼働という口実は、根底から破たんしています。

応急対策

 さらに、過酷事故対策は間に合わせの応急対策でしかなく、事故が起きた際の避難計画は審査の対象にすらなっていない、ずさんなものです。

 川内原発をめぐる動きも問題だらけです。

 規制委の行った川内原発の審査書案への意見募集で、専門家や住民などからの約1万8000件もの意見が寄せられ、重大事故対策の不備や事故想定の甘さなどが指摘されましたが、規制委はほとんど審査書に反映させませんでした。11月には日本火山学会の委員会が、規制委が原発の審査に用いた「火山影響評価ガイド」の見直しを求める異例の提言を発表。しかし、田中委員長は、見直しを拒否しました。

住民無視

 一方、伊藤祐一郎鹿児島県知事は早々と再稼働への「同意」を発表。避難計画の策定が求められている30キロ圏内の9市町には約21万6000人が住んでいます。そのうち始良(あいら)市議会では再稼働反対と廃炉を議決。いちき串木野市と日置市の議会は、再稼働に必要な地元同意の範囲におのおのの自治体を加えるよう要請していますが、伊藤知事は周辺自治体の意見を切り捨てました。

 安倍政権は、立地の鹿児島県と薩摩川内市の合意のみで再稼働をしようとしています。

 今後、他の原発でも立地市町村と県の合意だけで、周辺自治体や住民の反対意見を無視して再稼働を進めようとしています。

 15-01-06jyou

国民の願いは原発ゼロ・・原発問題住民運動全国連絡センター筆頭代表委員伊東達也さん

 福島第1原発事故の原因が分からないままの再稼働はありえません。新規制基準は、地震や津波に対する抜本的な対応はなく、事故が起きた時に最も肝心な避難計画も不十分です。九州電力川内原発の審査書案ヘの意見募集でも多くの指摘がありながら、政府は改善しようとしていないことも審査のあり方として問題です。

 これまで電力会社や政府は、私たち住民運動が危険だと提起した開題を受け入れないだけでなく、″十分手は打ってある″″事故はひどくならない″などの主張が根拠もなく繰り返されました。今また同じことを繰り返しています。

 最大の問題は、福島原発事故のようなことはもう起こらないということにしようとしていることです。まさに「安全神話」の復活です。再び事故が繰り返されないか、懸念しています。

 事故から4年を迎えようとしているのに、いまだに多くの福島県民が避難生活を続けています。過去を奪われ、現在の生活を破壊しつくされ、そして、未来を失いました。それが過酷な避難生活の実態です。政府は、そういった実情を見ないで、原発の推進を言っています。

 安倍政権がどんどん再稼働へ進んでいくほど、国民との間で、ますます大きな対決点になっていきます。原発推進派を孤立させていかなくてはいけません。国民の願いに応える道は再稼働反対であり、原発ゼロです。

 

地球規模の問題に・・毎週「金曜行動」に取り組む 「かごしま反原発連合」代表 岩井哲さん

 川内原発を突破口に再稼働されれば、雪崩を打つように全国の原発が動きだすのではと危惧しています。私は「第二の福島を生んではならない」と「金曜行動」に取り組んできました。継続して運動すればするほど、これほど危険な原発を動かしてはならないと確信しています。

 火山学者が警鐘を鳴らしているように、カルデラ噴火が起これば、一瞬にして南九州をなめつくすような火砕流で覆い尽くされ、川内原発には人間が近づくことができなくなります。地球規模の問題が発生するのです。再稼働するならば、その覚悟があるのかと言いたい。

 1月25日の「全国集会」、24日には「全国金曜行動・交流会議」も計画しました。どんな事態になってもたたかいを継続し、金曜行動を軸に粘り強く取り組んでいく意思が私たちにはあると思っています。

 

「必要神話」の打破を・・福井・小浜市明通寺住職 中嶌哲演さん

 高浜原発増設の歴史には、若い母親たちの反対署名運動や、町を二分する熾烈(しれつ)な町長選などがありました。

 私たちが今取り組んでいる「もう動かすな原発!福井県民署名」には、これまでの歴史を知る年配の世代から「子や孫の世代のことを思うと再稼働など許されない」などの声が寄せられています。

 目先の経済だけ物差しにする「原発必要神話」に対し、原発に頼らない地域づくりのビジョンと政策をもち打破する必要があります。

 再稼働への同意をとるべき「地元」には、高浜町と福井県だけでなく、県内全市町や京都府、滋賀県などの関西圏も含めるべきです。

 国民世論の多数が再稼働反対です。辺野古新基地建設を許さない「オール沖縄」の共同に学び、第2のフクシマとなる前に、「オール福井」「オール関西」へと反対のうねりを巻き起こす年にしたい。

(「しんぶん赤旗」2015年1月5日より転載)

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