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海側トレンチ閉塞 一部流れ残る・・福島第1原発 & 断層の議論継続・・志賀原発

 東京電力は、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で行っている、高濃度の放射性汚染水がたまっている海側トレンチ(トンネル)の閉塞(へいそく)作業で、約2500立方メートルの汚染水が除去できた一方、一部トンネル部分に水の流れが残る結果になったと、12月26日開かれた原子力規制委員会の検討会で報告しました。

 東電は当初、トンネルが、タービン建屋とつながっているため、連結部分を凍結させた上で、汚染水を抜き取り、閉塞する予定でした。4月から凍結を開始しましたが、タービン建屋との間の流れを止めることができずに断念。水と混じりにくく流動性の高いセメントをトンネル内に流し込みながら、汚染水をくみ出すことで、閉塞する方針に転換しました。

 東電によれば11月25日から、特に高濃度の汚染水がたまっている2号機タービン建屋につながるトンネルの充填(じゅうてん)を開始し、今月18日に完了。トンネルにつながる立て坑から水をくみ上げて、24日に充填状況を確認しました。

 その結果、一部で閉塞できていない可能性が高いことが分かりました。東電は、数ミリ程度の隙間ができているためと評価。隙間をさらに充填することは困難だとして、立て坑を閉塞させて水の流れを止めるといいます。

 

断層の議論継続・・志賀原発

 1号機の原子炉直下などを走る敷地内の破砕帯(断層)が活断層と指摘されている北陸電力志賀(しか)原発(石川県志賀町)について、原子力規制委員会の専門家チームは12月26日、第4回の評価会合を開きました。議論を継続することになりました。

 同原発の敷地内には8本の断層があり、1号機原子炉直下を通る「S—1」と呼ばれる断層があります。

 会合では北陸電が報告。建設当時に撮影された敷地周辺や建設前に掘られたトレンチ(溝)の壁面写真を示し、S—1は、新しく堆積した地層にずれなどが見られず、活断層ではないと主張。専門家は「(新しい地層に)物質の境界があるように見える」「断層による変形が疑わしい」などと指摘。北陸電は「掘削の時の傷だ」などと主張しました。

 また、S—1断層と1号機の西側で交わり、S—1より新しい時代に動いたとされる

「S—2」「S—6」断層についても議論。専門家から、活断層である可能性を否定できないとする意見がありました。しかし、北陸電は、新たに掘ったトレンチの観察結果を来年1月末ごろまでに示すと述べました。

(「しんぶん赤旗」2014年12月27日より転載)

 

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