東京電力福島第1原発事故で避難指示区域に指定された福島県南相馬市小高区の住民ら344人が12月19日、東電を相手に慰謝料の増額などを求めて東京地裁に提訴しました。
訴状によると、住民側は①故郷を失った慰謝料として1人1000万円②現行で1人月10万円の精神的慰謝料の倍増と避難指示解除後3年間の継続・・などを請求しています。
原告らは提訴後、東京都内で記者会見。訴訟の呼び掛け人で、合併前の旧小高町長だった江井績さん(73)は「避難指示が解除された時に、一日も早く事故前の生活を取り戻せるようにしてほしい」と話しました。
東京電力の話
訴訟で請求内容や主張を詳しく伺った上で、真摯(しんし)に対応する。
低レベル廃棄物規制検討会の設置案・・規制委押し返す
原子力規制委員会は12月17日、原発の廃炉で炉内から発生する比較的低レベルの放射性廃棄物の規制に関する検討会の設置案を認めず、事務方に押し返しました。同日の定例会合の議題に入っていましたが、原子力規制庁が提出した検討会のメンバーに同庁職員の名前が記載されておらず、更田豊志委員長代理は「これでは了承できない」と述べました。
更田氏は「主役は規制庁の職員。自らの名前で意見を言って専門性を高めることにつながる。こういう案の出し方をされては困る」と厳しく批判。「舞台裏で事務局が基準案を作って報告するなら(旧)保安院だ。明らかな透明性の減退で、全く納得できない」と怒りをあらわにしました。規制庁は職員名を記した検討会の設置案を出し直すことにしました。
低レベル放射性廃棄物のうち、原発の核燃料を固定する器具や臨界を停止させる制御棒などは危険度が高く、これまでは地下50メートルより深く埋設する方向で議論が進んでいましたが、具体的な処分方法などの基準は、つくられていませんでした。
(「しんぶん赤旗」2014年12月20日より転載)