福島第1原発の高濃度放射能汚染水を処理した水のタンクヘの移送中に、誤ってタンクにつながっていない配管に水が送られ、配管の先から水が漏れた事故で、東京電力は12月18日、作業手順書をつくる際に図面を読み間違えたことが原因だったと発表しました。東電は、手順書が現場の状況に照らして正しいかどうかを確認しておらず、ずさんな汚染水管理の実態がまたしても明らかになりました。
漏えい事故は、多核種除去設備「ALPS」で処理した水をJ6タンクエリアに移送する配管で発生。タンクにつながっていない施工中の配管の弁が開いていたため、その先から水が漏れました。
東電は、手順書が誤っていたこと、現場で手順書が正しいかどうか実際の配管の状況を確認していなかったことが原因と判断。対策として、新設ラインの弁を操作する際には現場で配管等の構成を確認するとしています。
漏えい量は約6トン。漏えい水は土壌に染み込んだほか、近くの溝に流れ込みましたが、東電は周辺土壌と溝に流れ込んだ水を回収。「周辺はアスファルトで地盤改良しているため、地下には染み込んでいない」と説明しています。採取した漏え
い水を分析しています。
(「しんぶん赤旗」2014年12月20日より転載)