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汚染水処理後「海に放出を」・・規制委委員長 &INESレベル「表示せず」決定・・福島第1原発 &プール冷却停止

 原子力規制委員会の田中俊一委員長は12月12日、東京電力福島第1原発で増え続ける放射能汚染水について、「(放射性物質濃度が)規制基準以下になった水を捨てずに、廃炉をできるはずがない」と述べ、浄化装置で処理した汚染水は海に放出する必要があるとの考えを示しました。第1原発を視察後、福島県楢葉町で記者団に語りました。

 第1原発では、タービン建屋地下などにたまった高濃度汚染水を処理し、セシウム濃度を下げてタンクに保管しています。他の放射性物質も大幅に減らせる浄化装置「ALPS」(アルプス)でタンクの汚染水処理を進めていますが、トリチウムは除去できず、処理後もタンクに保管しています。

 

INESレベル「表示せず」決定・・福島第1原発

 原子力規制委員会は12月10日の定例会合で、今後、東京電力福島第1原発でのトラブルが発生した場合、国際原子力・放射線事象評価尺度(INES)によるレベル表示は「混乱を生じさせる可能性がある」として、原則行わない方針を決定しました。

 炉心溶融や建屋の爆発を伴った福島第1原発の事故は、INESで最悪のレベル7と評価されています。昨年8月には、この事故に伴って発生した放射能汚染水のタンクからの漏えいが明らかになり、漏えいした汚染水の放射能量などからレベル3の「重大な異常事象」と暫定評価されていました。

 しかし、INESは通常の発電所などを想定しており、現在の福島第1原発に適用することが難しいなどの意見が規制委で出されました。このためトラブルに関する暫定評価では、INESのレベル表示は行わず、文章説明で国内外に通報する措置がとられていました。

 今後、最終評価においてもレベルを表示しないことを決めました。ただし、INES評価でレベル6や7となる大規模な事故では、評価尺度が「人と環境」への影響のみになるため、表示は可能としています。

 

プール冷却停止・・スイッチ接触か/福島第1の2号機

 福島第1原発2号機の使用済み燃料プールの冷却が先月停止した問題で、東京電力は12月11日、冷却に関わる弁を開いた状態にするために空気を送るコンプレッサーのスイッチが、意図しない作業員の接触で停止状態になったために起きたと考えられると発表しました。

 使用済み燃料プールの冷却に使われるポンプが停止しだのは11月27日。通常は冷却に関わる弁を開いた状態にすることでポンプが動く仕組みになっていました。しかし、弁を開いたままにするために、空気を送るコンプレッサーのスイッチが停止状態になっていました。

(「しんぶん赤旗」2014年12月14日より転載)

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