【リマ=島田峰隆】南米ペルーのリマで開かれている国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)は、12月9日から環境相やエネルギー相が参加する閣僚級会合になります。1日から6日までの第1週の議論では、すべての国が参加する2020年以降の新しい国際協定の目標に盛り込む項目などをめぐり、各国の対立が続きました。
新しい国際協定は京都議定書に代わるもので、来年末の合意を目指して各国が来年3月までに国別目標案を出すことになっています。会議では目標に何を含むのか、達成期限をいつにするのかなどが論点になっています。
先進国は、温室効果ガスの削減を中心にした目標にすることを主張。一方、途上国は、温暖化によって受けた被害の軽減策や先進国からの資金援助も含めるよう求めています。
目標の達成期限についても、欧州連合(EU)が30年までとする一方、ブラジルや南アフリカ、中南米諸国のグループは5~10年の期間で区切って点検する案に関心を示し、島しょ国は25年までを提案するなどさまざまな意見が出ています。
議長を務めるペルーのビダル環境相は6日、各国の提案を歓迎し、「世界の期待に応えるため第2週は対話、柔軟性、合意づくりの週にしよう」と述べました。ペルー政府は新協定の合意文書案にまでこぎつけたい考えです。
一方、20年までの温室効果ガス削減の取り組みをどう強めるかについては、ほとんど議論が進んでいません。新しい協定に来年合意したとしても実施は20年からです。環境NGOは、新協定実施までの期間に削減努力を弱めることがないよう求めています。
国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP)
地球温暖化問題に対する国際的な枠組みを設定した1994年発効の気候変動枠組み条約(UNFCC)に参加する国が、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出削減策などを協議する会議。現在、2020年発効をめざす新しい枠組み合意に向けた議論がなされており、来年末にパリで開催されるCOP21までに決める予定です。
写真展で警告 リマ市内
【リマ=島田峰隆】ペルーのリマ市内の公園では、国連気候変動枠組み条約第20回締約国会議(COP20)に合わせて、環境破壊や地球温暖化の危険性を警告する写真展が開かれています。
持続可能な開発へ向けた土地や水の利用について考える、国連機関を含む多彩な団体でつくる「グローバル・ランドスケイプス・フォーラム」が主催。温室効果ガスの排出につながるアマゾンでの違法な森林伐採などを撮影した写真が並べられています。散歩に来た市民や観光客が熱心に見入っていました。
市内に住むエルナン・カストロさん(59)は「地球がどれだけ壊されているか分かる興味深い展示だった。温暖化は人類が生き残れるかどうかにかかわる問題だ。COP20が有意義な結果を出すよう願っている」と話していました。
(「しんぶん赤旗」2014年12月9日より転載)