島根原発(島根県松江市)の再稼働や上関原発(山口県上関町)の建設をねらう中国電力(本社、広島市中区)の山下隆会長ら最高幹部3人が、安倍晋三首相(衆院山口4区)が代表の自民党支部へ昨年計9万円の献金をしていたことが12月9日、本紙の調べでわかりました。
自民党山口県第四選挙区支部の2013年分の政治資金収支報告書によると、中国電力の山下隆会長(中国経済連合会会長)、苅田知英社長、清水希茂副社長が、それぞれ3万円の献金をしていました。山下会長と苅田社長は、同社の「上関原子力立地プロジェクト長」を歴任し、清水副社長は島根原子力本部長を務めるなど、原子力部門の要職を務めています。
12年には、自民党の政治資金団体「国民政治協会」(国政協)に山下会長が14万円、苅田社長が17万円、清水副社長が10万円の個人献金をしていました。
公益企業である電力会社からの献金は、1974年以降、行われていませんが、役職で金額を決めて、組織的に個人献金を行う、事実上の企業献金が長年、行われてきました。3人による個人献金も事実上の企業献金とみられます。
同社の上関原子力発電所準備事務所が発行する広報紙「かけはし」2011年12月号で、安倍氏らと山下会長ら中国経済連合会の懇談会のやりとりを報じています。
その席上、上関原発について「中国地域の経済界として、原子力が必要だという強い意志を示すべき。中国地方の市民生活がどのように(良く)なるかということを、自信を持って主張してほしい」という安倍氏の発言を紹介しています。
(「しんぶん赤旗」2014年12月10日より転載)