福島県郡山市議会災害復興対策特別委員会が11月25日開かれ、参考人招致した東京電力の石崎芳行副社長(福島復興本社代表)に議会の総意として福島第2原発の廃炉を求めました。
日本共産党の橋本憲幸市議が「県議会と全市町村が県内原発全10基廃炉を決議している。内堀雅雄新知事も要請した。福島第2も廃炉にするというのは、県民に対する最小限の謝罪と誠意ではないか」と求めました。
石崎氏は「(県民の総意は)重く受け止めているが、現時点では『未定』。今後のエネルギー政策の議論が続いており見極めなければならない」と答弁。
また、同氏は「私どもはまさに加害者であり、その責任から逃れるつもりはない。福島のみなさんが苦しみ、望んでいることを受け止めてやっていく」と述べました。
原発労働者の健康問題や損害賠償の基準などにも質問が及び、林業やコイ養殖業者の営業、土産物の名物「赤はら」(産卵時期のハヤの塩焼き)消滅に対する賠償などを求める声が相次ぎました。
東電の石崎副社長(手前左)らに質問する橋本市議(向こう側1列目の右から2人目)=11月25日、福島県郡山市
コメ汚染の原因・・がれき撤去否定/規制委
福島県南相馬市の2ヵ所で昨年収穫された玄米から基準を超えた放射性セシウムの汚染が見つかった問題で、この汚染が東京電力福島第1原発3号機でのがれき撤去作業で飛散した放射性物質で説明できないとする評価結果が11月26日の原子力規制委員会で報告されました。
福島第1原発3号機のがれき撤去に伴って昨年8月19日に放射性物質に汚染されたほこりが大量に飛散。原子力規制庁は、1100億ベクレルが飛散したと試算しています。今回、原子力被災者生活支援チームの依頼で、原発敷地外への放射性物質の降下量をSPEEDI(緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を用いて計算。基準値(1キロ当たり100ベクレル)を超えた玄米が収穫された、原発から12キロの地点で、セシウムの降下量の評価は1平方メートル当たり約30ベクレル、21キロの地点では同12ベクレルの結果となり、農林水産省の試算と比べ2けた小さい値になりました。
田中俊一委員長は「結果をみると、がれき撤去によるものではないだろうということが、ほぼ明らかになったと思います」と述べ「事故によって福島県は広範囲にまだまだセシウムの汚染がある。これからもこういった汚染が出てくる可能性があると思うので、その原因をはっきりさせる取り組みは引き続きやっていくべきだ」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2014年11月27日より転載)