福島県と川内村は11月22日、2011年の東京電力福島第1原発事故後初となる住民避難訓練を合同で実施しました。廃炉作業が続く現状で再び重大事故が起きたと想定し、新たな広域避難計画に基づく避難ルートや手順を確認しました。
訓練は、震度6強の地震で3号機(停止中)燃料プールの冷却機能が喪失し、放射性物質が拡散して川内村で毎時20マイクロシーベルト超を観測したと想定。住民約260人が同県田村、郡山両市の避難所に、自家用車に見立てたタクシーや、バスで避難しました。
県や原子力規制庁の職員ら約1000人も参加。安定ヨウ素剤の配布や、機械を使って衣服などに放射性物質が付着していないか調べるスクリーニングの訓練を行いました。
今年(2014年)10月に避難指示が解除された川内村東部から参加した無職小野俊光さん(82)は「集合してからバスが避難所に向かうまで1時間近くかかった。機敏に対応してもらいたい」と苦言を呈しました。
県が4月に公表した避難計画では、県内59市町村のうち第1、2原発30キロ圏内の13市町村を「暫定重点区域」とし、最大55万人を他の市町村や茨城などの隣接県に避難させました。
(「しんぶん赤旗」2014年11月23日より転載)