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福島・浪江町 中学生のふるさと学習3年目・・「町に戻り支えたい」

文化祭で総合学習の展示を説明する生徒たち=福島県二本松市の浪江中学校
文化祭で総合学習の展示を説明する生徒たち=福島県二本松市の浪江中学校

 東京電力福島第1原発事故のため、避難先の二本松市で2011年の2学期から開校している浪江町の浪江中学校は、12年度から本格化させたふるさと学習が今年で3年目です。3年間通して学んだ初めての生徒になる3年生とその保護者たちは、たしかな手応えを感じています。

(中村秀夫)

 1年は町の自然、歴史、文化を探求しました。2年は職場体験で地域の人から生き方を学びました。

 3年の今年は、浪江をなくさないためにできることはなにか、を考えました。復興団体、NPO法人の人などから活動と思いを聞き、仮設住宅で住民と話しました。

 浪江にこだわる気持ちが共通しているのはなぜか、浪江をどのような町にしたいかをテーマにしたパネル討論を開催。郷土料理づくりなど多彩に活動しました。

 有川佑美さん(15)は「7回引っ越していまの中学校に入り、やっと落ち着いて学習することができました。私も復興に携われる人になりたいと思うようになりました」といいます。

 神保魁渡くん(15)は「浪江を良くしようといろいろ活動する人たちを知り、勇気をもらいました」。

 看護師になるのが夢だったと話す佐藤歩さん(14)。「そのための学校に行くけど、いつか町に戻り、浪江の人たちを支えられるような人になりたいと思うようになりました」

 山本佑士くん(14)は「浪江を知るだけでなく、多くの人に伝える側にもなりたい」と話します。

福島市の仮設住宅から通う平子葵さん(15)は、郷土料理を学び、自分でも創作。それを料理雑誌の全国コンクールに応募し、準グランプリに選ばれました。「浪江のことをもっと全国に知ってほしい、忘れないでほしい」

 福島市から通う3年生の次男がいる母親(44)は、「学ぶなかで、人の役にたちたいと思うようになっているのはうれしいです。ぜひ続けていってほしい」といいます。

 「小学校は自宅近くに区域外就学していましたが、なじめず不登校でした」というある生徒の祖母(78)。「本人が中学はここがいいと選び、毎日片道60分の通学バスも苦にせず、通い続けています。文化祭での学習発表を聞き、感動しました。そうやって生き生きと学べるので通えたのですね。安心しました。本当によかった」と語ります。

 学習は、双葉郡8町村の教育長が実践をよびかける「ふるさと創造学」の一環です。

(「しんぶん赤旗」2014年11月24日より転載)

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