温暖化ガスの一つ、二酸化炭素(CO2)を最も排出する石炭火力発電所が今後、建設ラッシュを迎えることが分かりました。環境NGO気候ネットワークが調べ、このほど発表したもの。
それによると、これまで明らかになった建設計画は25基、計1364万キロワットで、うち17基は2020年までに運転が始まる予定です。
建設する企業は、九州電力、東京電力、電源開発など電力会社のほか、神戸製鋼など大規模需要者が多いのが特徴です。
石炭火発は、どんなに高効率でもガス火発の2倍のCO2を排出します。計画中の石炭火発がすべて運転すると、排出されるCO2は推計で年間8183万トン。東京都の年間排出量(約7000万トン)を上回る規模です。気候ネットワークは「政府は、今後の温室効果ガス排出削減を著しく困難にしてしまうこの建設ラッシュの食い止めを直ちに検討すべき」だと求めています。
安倍政権は、「成長戦略」で、石炭火発を国内、海外で推進することを決め、「エネルギー基本計画」では原子力とともに重要な「ベースロード電源」としています。
(「しんぶん赤旗」2014年11月23日より転載)