参院環境委員会は11月13日、東京電力福島第1原発事故で生じた放射性廃棄物を日本環境安全事業株式会社(JESCO)が運営する中間貯蔵施設に保管し、30年以内に福島県外で最終処分することを明記した法改定について、参考人質疑を行いました。立命館大学教授の大島堅一氏(環境経済学)らが参考人として出席し、日本共産党の市田忠義議員が質問しました。
大島氏は意見陳述で、除染と損害賠償、放射性廃棄物の処理・処分に「国が関与するのは当然だ」と主張。一方で、「国が強く関与することと、国が費用負担を行うこととは別の問題だ」と述べ、汚染者・加害者である東電に費用負担の責任があると強調しました。
その上で大島氏は、同社に放射性廃棄物の処分実績がなく、産業廃棄物などの処理も複数の民間事業者に委託している実態を明らかにし、処理施設ではトラブルや事故隠しも相次いでいると指摘。中間貯蔵施設の建設・運用にあたっても「住民の意思を最大限に尊重すべきだ」と主張しました。
市田氏は「国の責任を認める規定がないままJESCOに運営・管理を任せることになっており、無原則な国費投入につながるのではないか」と指摘しました。大島氏は「東電が負担すべきものを国が実質的に支援するものになっており、正しくないと思っている」と述べました。
(「しんぶん赤旗」2014年11月15日より転載)