福島第1原発事故発生直後の2011年4月に東電が行った放射能汚染水の海洋放出をめぐる状況も一部が明らかになりました。全国漁業協同組合連合会の部長は「だまし討ち以外の何物でもない」と怒りをあらわにしています。
11月12日に公開された調書によると、全漁連の大森敏弘漁政部長は11年4月4日、当時の広瀬直己東電常務(現社長)らから高濃度汚染水の海洋流出について説明を受けました。流出が明らかになったのは同月2日で、東電側は二度と汚染水を流出させないと約束したといいます。
説明終了後に関係省庁へ再発防止の要請に出向いたところ、広瀬氏から電話があり、「急きょ低濃度汚染水を海洋放出することになりました。これは決定事項です」と通告があったといいます。
東電は4〜9日に、約1万トンの汚染水を海洋放出。汚染水の放射性物質濃度は最大で国の基準の約1000倍で、高濃度汚染水の保管場所を確保するという理由で放出されました。
(「しんぶん赤旗」2014年11月14日より転載)