原発再稼働の前提となる安全審査で、原子力規制委員会は3月27日、優先的に審査を進めることが決まった九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県)の耐震設計や耐津波設計の基本方針を大筋で了承しました。
同日の審査会合で、担当の更田豊志委員は「設置変更許可にかかわる耐震、対津波設計はひと通りの聴取を終えた。今後は工事計画関係を地道に見ていく。(公開の)審査会合で扱うことは基本的にない」と述べ、審査のうち地震や津波に関する部分は書面確認を中心に進める方針を示しました。
これまでの審査で、九電は想定される地震の揺れを申請時の540ガルから620ガルに引き上げたほか、想定する津波の規模も、新たに琉球海溝のプレート間地震(マグニチュード9・1)による巨大津波を考慮しています。
この結果、敷地に到達する最大の津波はこれまでの5・2メートルから7メートルとなりましたが、九電は冷却用ポンプなど重要機器エリアを高さ15メートルの防護壁で囲む対策で、浸水の恐れはないとしています。